雨漏りは塗装で直る?原因と正しい判断方法|現役大工×建築士が解説【大府市・名古屋市】

更新日:9月18日
雨漏りが起きた時、
「外壁を塗装すれば直るのでは?」
「屋根を塗れば止まるのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
実際に、
「雨漏りしているから塗装しましょう」
と提案されることもあります。
では、本当に雨漏りは塗装で直るのでしょうか。
先に結論から言うと、
塗装によって雨水の侵入が止まる場合はあります。
ですが、
雨漏りしている=塗装すれば直る
とは判断できません。
なぜなら、
塗装で表面を守ることと、雨漏りの原因となっている水の侵入口を直すことは、同じではないからです。
雨漏りは塗装で直るのか
塗装には、
外壁材や屋根材を保護する
劣化を遅らせる
美観を整える
といった大切な役割があります。
私自身、塗装が必要だと判断すれば当然おすすめします。
ただし、
雨漏りが起きている住宅で最初に考えたいのは、
「塗装が必要か」ではなく、「どこから水が入っているのか」です。
雨水の侵入口が塗装によって処置できる場所であれば、結果として雨漏りが止まることはあります。
一方で、
板金の取り合い
屋根材の固定部
サッシまわり
ベランダ
防水層
部材同士の納まり
など、別の場所に原因があれば、表面を塗装しても雨漏りが止まらないことがあります。
だから私は、
塗装=材料を守る工事
雨漏り修理=水を制御する工事
と考えています。
似ているようで、目的が違います。
塗装しても雨漏りが止まらないことがある理由
雨漏りというと、大きな穴やひび割れから水が入っている姿を想像するかもしれません。
でも実際の住宅では、もっと小さな部分が侵入口になることがあります。
たとえば、こちらです。

小さなビス穴や固定部まわりも、雨漏りの入口になることがあります。
屋根全体を見れば、大きな異常には見えないかもしれません。
しかし雨水は、こうした小さな部分から入ることがあります。
この場合に必要なのは、
「屋根全体を塗ればいい」
と最初から決めることではありません。
なぜここから水が入るのか。
入った水は、そのあとどこへ流れるのか。
そこまで考えて、必要な工事を決めます。
雨漏りでは「取り合い」も確認します
住宅には、
屋根と壁
壁とサッシ
ベランダと外壁
板金と屋根材
など、異なる部材同士が接する場所があります。
こうした場所を「取り合い」と呼びます。

取り合い部分では、水の流れが変わります。
そのため雨漏りを考える時は、表面の塗膜だけでなく、
部材同士がどのようにつながり、雨水がどちらへ流れるようにつくられているのか
を見る必要があります。
表面をきれいに塗り直しても、その奥にある雨水の侵入経路や納まりまで変わるわけではありません。
これが、
「塗装したのに雨漏りが止まらない」
ことが起こる理由の一つです。
一見きれいな屋根でも雨漏りすることがあります
こちらの屋根を見てください。

屋根全体だけを見れば、
「そんなに傷んでいない」
「大きな穴もなさそう」
と感じるかもしれません。
ですが、雨漏りは見た目の劣化だけで判断できません。
釘穴やビス穴
板金の重なり
防水層
部材の取り合い
水が溜まりやすい納まり
など、表からは分かりにくい部分が関係することがあります。
逆に言えば、
屋根が古いから全部塗装する
外壁が色あせているから雨漏りも塗装で直す
という順番ではなく、
雨漏りと塗装は一度分けて考えた方がいいということです。
塗装が必要なら塗装する。
雨漏り修理が必要なら、原因に合わせて雨漏りを直す。
両方必要なら、工事の順番や範囲を整理する。
それでいいと思います。
室内に見えている場所が、雨水の入口とは限りません
雨漏りすると、
天井のシミ
クロスの剥がれ
窓まわりの水染み
天井材の傷み
などが現れます。

この写真を見ると、
どうしても傷んでいる場所の真上から水が入ったように感じます。
でも、そうとは限りません。
雨水は建物の中で木材や下地などを伝い、侵入口とは離れた場所に現れることがあります。
つまり、
室内に現れた雨漏りは「入口」ではなく、最後に水が現れた「出口」かもしれません。
だから、室内の症状だけを見て、
「この上を塗れば直る」
と決めることはできません。
雨漏りの原因を思い込みで決めない考え方については、こちらの記事で詳しく整理しています。
雨仕舞いは「止める」だけではなく「流す」
雨漏りを考えるうえで、もう一つ大切なのが「雨仕舞い」です。
住宅は、雨水を一滴も触れさせないようにつくられているわけではありません。
雨が当たっても、
どこへ流すのか
どこから排出するのか
内部へ入れないためにどう納めるのか
まで考えてつくられています。
だから私は現場で、
雨は止めるのではなく、流す。
という考え方を大切にしています。
塗装もコーキングも必要な場所へ正しく使えば有効です。
しかし、水の出口まで塞いでしまえば、かえって別の場所へ水を回してしまうこともあります。
「コーキングをすれば雨漏りは止まるのか?」については、別の記事で詳しく説明しています。
雨漏りしている家を塗装する前に確認したいこと
では、雨漏りしている状態で塗装を提案されたら、どうすればいいのでしょうか。
私は、
「なぜ、この塗装で雨漏りが止まると考えているのか」
を確認してみるといいと思います。
どこから水が入っていると考えているのか。
どこまで確認できているのか。
塗装することで、どの部分を処置するのか。
もし塗装しても止まらなかった場合、次に何を確認するのか。
ここまで説明があれば、工事を判断する材料になります。
反対に、
「雨漏りしているから、とりあえず塗装しましょう」
だけでは、本当にその工事が雨漏りに対して必要なのか判断できません。
塗装が悪いのではありません。
雨漏りの原因を確認しないまま、塗装を雨漏り修理として決めてしまうことが問題です。
まとめ|雨漏りだから塗装、では決めない
雨漏りは、塗装によって止まる場合もあります。
ですが、
雨漏り=塗装
ではありません。
塗装には、屋根材や外壁材を守る大切な役割があります。
一方で雨漏り修理では、
水がどこから入り、
どこを通り、
どこへ出ているのかを考え、
その原因に合わせて工事を決める必要があります。
だから、
塗装=材料を守る工事
雨漏り修理=水を制御する工事
この二つを一度分けて考えてみてください。
そのうえで、
塗装が必要なら塗装する。
雨漏り修理が必要なら雨漏りを直す。
両方必要なら、必要な範囲と順番を整理する。
それが一番分かりやすいと思います。
雨漏り修理そのものを、
「今すぐ工事するのか」
「まず原因を確認するのか」
「どこまで直すのか」
から整理したい方は、こちらの記事で詳しくまとめています。
その工事、本当に必要ですか?
すでに塗装の見積もりをもらっている。
雨漏りも一緒に直ると言われた。
でも、本当にその工事でいいのか分からない。
そんな場合は、工事を断る必要も、慌てて契約する必要もありません。
まず、
「その工事で何を直そうとしているのか」
を整理してみてください。
自分では判断できない場合は、真HMSでも建物の状態を確認し、必要な工事・今すぐ必要ではない工事を整理しています。










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