不動産屋さんへ|劣化事象は値下げ材料ではなく、売買の判断材料です【大府市・名古屋市】

👉 その工事、本当に必要ですか?
👉 リフォームの前にやるべきこと。
中古住宅の売買では、築年数が古くなるほど、建物の扱いが難しくなることがあります。
特に築30年を超えた木造住宅では、
「古家付き土地」
「建物価値はほぼゼロ」
「解体前提」
「解体費を売主が持つのか、買主が持つのか」
という話になりやすいのではないでしょうか。
もちろん、実際に劣化が大きく、解体を検討した方がよい家もあります。
雨漏りが進行している。
床下の傷みが大きい。
構造部分に不安がある。
長期間放置されていた。
修繕費が大きくなりすぎる。
そういう建物もあると思います。
でも、木造住宅の現場を長く見てきた立場からすると、少し思うことがあります。
古い家=解体前提。
本当に、すべてそうでしょうか。
逆に、
古い家=残せばいい。
それも違うと思います。
大切なのは、築年数だけで決めることではなく、建物側の判断材料を整理することです。
結論|劣化事象は、値下げ材料ではなく売買の判断材料です
中古住宅の売買前に既存住宅状況調査を行うと、劣化事象が見つかることがあります。
ひび割れ。
雨漏り跡。
床の傾き。
外壁の傷み。
床下の湿気。
シロアリ被害の可能性。
木部の腐朽。
建具の不具合。
こうした劣化事象が見つかった時、売主側からすれば、
「値下げ交渉の材料にされるのではないか」
という不安があると思います。
その気持ちは分かります。
売る側からすれば、不利な材料を増やしたくない。
できればスムーズに売却したい。
余計な不安を買主へ与えたくない。
それは自然な感覚だと思います。
ただ、買主側から見れば、分からないまま買うことの方が不安です。
そして、不安が残ったまま売買が進むと、あとからトラブルや不信感につながることもあります。
だから私は、劣化事象を単なる値下げ材料として見るのではなく、売買の判断材料として整理することが大切だと思っています。
劣化事象は、値下げ材料ではありません。
売主・買主・不動産屋さんが、同じ建物情報を見て判断するための材料です。

なぜ売買前に既存住宅状況調査をしないのか
既存住宅状況調査は、住宅診断であり、ホームインスペクションであり、壊す前に判断するための調査です。
売買前に建物の状態を確認できれば、売主・買主・不動産屋さんにとって判断材料になります。
それでも、実際には積極的に使われにくい場面もあると思います。
その理由の一つとして、私が聞いたことがあるのは、
「不具合が見つかった時に、値下げ交渉の材料にされるのではないか」
という売主側の不安です。
これは、売主さんを責めたい話ではありません。
不動産屋さんを責めたい話でもありません。
売買の現場では、価格、条件、契約、引き渡し時期、解体費、瑕疵の説明など、考えることが多くあります。
その中で、建物調査によって不具合が見つかれば、価格交渉に影響するのではないかと考えるのは自然です。
ただ、ここで考えたいことがあります。
不具合が見つかることが怖いのか。
それとも、建物の状態が分からないまま売買が進むことの方が怖いのか。
私は、後者の方が大きな問題になることがあると思っています。
不動産屋さんは悪くない。役割が違うだけです
ここは誤解されたくないところです。
私は、不動産屋さんを批判したいわけではありません。
不動産屋さんは、土地・建物の売買のプロです。
価格。
流通。
契約。
重要事項説明。
権利関係。
買主・売主の調整。
住宅ローン。
引き渡し。
これだけでも、非常に専門性の高い仕事です。
ただ、木造住宅の建物状態まで、すべて一人で判断するのは現実的に難しいと思います。
不動産業界にも、建築士の資格を持っている方はいると思います。
逆に、建築側にも、不動産に詳しい方はいます。
でも、
土地も一流。
売買も一流。
契約も一流。
建物判断も一流。
木造もRC造もS造も一流。
在来工法も2×4も一流。
そこまで一人で全部背負うのは、現実的にはかなり難しいと思います。
建築の中だけを見ても、木造、RC造、S造があります。
木造の中にも、在来工法、2×4などがあります。
さらに、雨漏り、床下、外壁、屋根、構造、設備、内装、シロアリ、過去の増築、修繕履歴など、見るべき内容は細かく分かれます。
だからこそ、売買のプロである不動産屋さんと、建物側の判断材料を整理する人が役割を分けることには意味があります。
劣化事象は、見つけて終わりではありません
既存住宅状況調査で大切なのは、劣化事象を見つけることだけではありません。
大切なのは、その劣化事象が何に起因しているのかをイメージすることです。
例えば、雨漏り跡があったとします。
それが過去の雨漏りなのか。
今も進行しているのか。
屋根からなのか。
外壁からなのか。
サッシまわりなのか。
増築部分の取り合いなのか。
結露や別の原因なのか。
原因や範囲の見立てによって、判断は変わります。
床の傾きも同じです。
単なる施工誤差なのか。
経年によるものなのか。
床下の劣化が関係しているのか。
シロアリや腐朽が疑われるのか。
地盤や基礎の問題まで考えるべきなのか。
これも、見つけて終わりではありません。
見つかった劣化事象をもとに、
解体して売るべき状態なのか。
修繕すれば使える状態なのか。
買主候補へ先に説明して売るべきなのか。
概算の工事費を伝えて判断してもらうべきなのか。
そこまで整理して、はじめて売買の判断材料になります。

解体して売る判断にも、修繕して売る判断にも使える
既存住宅状況調査は、必ずしも「建物を残すため」だけに行うものではありません。
調査の結果、劣化が大きく、修繕費がかなり大きくなると分かれば、解体して売る判断につながることもあります。
それはそれで、正しい判断です。
一方で、解体するほどではないと分かれば、買主候補に対して、
この部分に劣化事象があります。
原因としては、こういう可能性が考えられます。
修繕するなら、このような工事が考えられます。
概算では、このくらいの費用を見ておくとよいかもしれません。
と、先に説明することもできます。
これは、不具合を隠さない売買です。
そして、必要以上に悪く言わない売買でもあります。
不具合を隠さない。
でも、必要以上に悪くも言わない。
状態と必要な対応を整理して、判断できる形にする。
私は、これがとても正直で真っ当な売買につながると思っています。
遠回りに見えるかもしれません。
でも、結果的には売主・買主・不動産屋さんの信頼につながるのではないでしょうか。
築30年超でも、価値が残っている家はあります
私は以前、築30年を超えた木造住宅の既存住宅状況調査を行いました。
平成5年建築の家です。
場所は三重県四日市市でした。
築年数だけを見れば、決して新しい家ではありません。
でも、現場で見た印象は違いました。
入母屋の屋根。
当時の職人の手間。
今から同じように作ることが簡単ではない造り。
柱や床の状態。
大きく乱れていない建物の姿勢。
木造住宅の現場に長く関わってきた立場から見ると、築年数だけで負の遺産として扱うには、あまりにも惜しい家でした。
調査で確認できた範囲でも、大きな問題はありませんでした。
私はお客様に、
「超優良物件だと思います」
とお伝えしました。
これは、すべての古い家が優良物件だという意味ではありません。
危ない家もあります。
解体した方がよい家もあります。
大きな修繕費を見ておくべき家もあります。
ただ、築年数だけでは決まらない家も確かにあります。
だから、古い家を見た時に、
解体前提。
残す前提。
どちらかに決めつけるのではなく、まず建物側の判断材料を整理することが大切だと思います。
ここまで整理するのが、住宅判断屋の仕事です
真HMSは、工事を売るためだけのリフォーム店ではありません。
木造住宅専門の判断屋として、家の状態を確認し、必要な判断材料を整理することを大切にしています。
既存住宅状況調査は、住宅診断であり、ホームインスペクションであり、壊す前に判断するための調査です。
しかし真HMSが目指しているのは、診断で終わることではありません。
劣化事象を見つける。
原因をイメージする。
今も進行しているのかを考える。
解体するべきかを考える。
修繕でいけるかを考える。
概算工事費を考える。
買主候補へどう説明できるかを整理する。
ここまで含めて、売買の判断材料になります。

つまり、住宅判断屋は、不具合を探す人ではありません。
住宅判断屋は、劣化事象を売買・修繕・解体の判断材料に変える人です。
一度、立ち止まって考えてみてください
古い家を見て、すぐに解体前提で話を進める前に。
劣化事象が見つかることを恐れて、調査を避ける前に。
一度、立ち止まって考えてみてください。
その建物は、本当に解体するしかない状態でしょうか。
それとも、劣化事象を整理すれば、買主候補へ正直に説明できる状態でしょうか。
調査をすることで、値下げ材料を増やすだけになるのでしょうか。
それとも、売主・買主・不動産屋さんが、同じ情報を見て判断できる状態になるのでしょうか。
👉 大切なのは、不具合を隠すことではありません。
👉 必要以上に悪く見せることでもありません。
👉 状態を正しく知り、売買の判断材料に変えることです。
不動産屋さんへ
不動産屋さんは、売買のプロです。
だからこそ、建物側の判断材料が必要になる場面もあると思います。
売主さんへ、どう説明するか。
買主候補へ、どこまで伝えるか。
解体前提で売るのか。
修繕の余地を残して売るのか。
劣化事象と概算工事費を伝えて判断してもらうのか。
その判断を、不動産屋さんだけで背負う必要はないと思います。
木造住宅の状態確認や、修繕・解体の判断材料整理が必要な時は、建物側の専門家を使ってください。
真HMSは、現役大工×建築士として、木造住宅専門の判断屋として、売主・買主・不動産屋さんが同じ建物情報を見て判断できるよう、判断材料を整理します。
関連記事|中古住宅売買や木造住宅の判断で迷っている方へ
中古住宅や古い家をどう判断するかは、築年数だけでは決められません。
まずは、工事の前に何を整理すべきかを知ることが大切です。
▼工事の前に整理すべきことはこちら。
木造住宅の判断には、完成後に見えなくなる下地や、図面に書かれない現場判断も関わります。
▼なぜ住宅判断に現役大工の視点が必要なのかはこちら。
中古住宅や古い家を売る・買う前に、不動産屋さんだけでは判断しきれない建物側の見方を整理したい方はこちらも参考にしてください。
▼不動産屋さんには聞けない中古住宅の判断についてはこちら。
まとめ|古い家を、築年数だけで判断しないために
築30年を超えた木造住宅は、負の遺産のように扱われることがあります。
解体費を売主が持つのか。
買主が持つのか。
建物価値はないものとして見るのか。
そういう話になりやすい現実はあると思います。
でも、すべての古い家が解体前提ではありません。
逆に、すべて残せばよいわけでもありません。
大切なのは、建物側の判断材料を整理することです。
劣化事象が見つかった時、それを値下げ材料としてだけ見るのではなく、
何に起因しているのか。
今も進行しているのか。
修繕で対応できるのか。
解体を考えるべきなのか。
買主候補へどう説明できるのか。
概算工事費はどの程度見ておくべきなのか。
そこまで整理できれば、売買はもっと正直で、納得感のあるものになると思います。
劣化事象は、隠すものではありません。
煽るものでもありません。
売買の判断材料です。
もしあなたが今、中古住宅の売買を検討しているなら
もしあなたが今、
中古住宅を売ろうとしているなら。
もしあなたが今、
中古住宅を買おうとしているなら。
もしあなたが今、
古い家を解体するか、残すかで迷っているなら。
そのまま進める前に、壊す前の判断材料を整理してください。
👉 今見えている劣化事象は、値下げ材料ではなく、判断材料です。
👉 状態を確認しないまま進めた場合、売買後の不安や、後からの修繕費につながるケースがあります。
👉 そして一番大きいのは、今の段階でしかできない判断を失うことです。
このまま進めますか?
👉 このまま進めますか?
👉 一度立ち止まりますか?
👉 その判断、このままで大丈夫ですか?
売る前・壊す前・買う前に
その工事、本当に必要ですか?
リフォームの前にやるべきことは、既存住宅状況調査です。
既存住宅状況調査は、住宅診断であり、ホームインスペクションであり、壊す前に判断するための調査です。
👉 工事をするかどうかは、その後の話です。
👉 まずは今の状態を正しく知り、売主・買主・不動産屋さんが同じ判断材料を持つことから始めてください。
真HMSは、現役大工×建築士として、木造住宅専門の判断屋として、家の状態、暮らし、工事の順番、短期・中長期メンテナンスまで含めて判断材料を整理します。
既存住宅状況調査・住宅診断についてはこちら。





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