【不動産業者の皆様へ】築古売買の「聞いていない」を、その判断で未然に防ぎませんか?【大府市・知多・名古屋】

更新日:9月30日
築古物件の売買で、
「買主さんに、どこまで説明すればいい?」
「この劣化、売主さんに直してもらうべき?」
「古いから値引きと言われても、どこまでが妥当?」
そんな判断に迷うことはありませんか?
築古住宅には、傷みがあることもあります。
古い設備もあります。
床に多少の傾きがあることもあります。
でも、築古売買で本当に怖いのは、
「古いこと」そのものではありません。
売主は知っていた。
仲介は説明したつもりだった。
でも買主は、
「そんな話は聞いていない」
と思っている。
この売主・買主・仲介の認識差が、決済後のトラブルにつながることがあります。
この記事では、実際に確認した築50年以上の木造住宅などを例に、
建物の状態を、売買に関わる人が共有できる「判断材料」に変える
という考え方を整理します。
結論|築古売買で怖いのは「古さ」より認識差です
築古住宅だからといって、
すぐに危険。
全面リフォームが必要。
解体した方がいい。
とは限りません。
大切なのは、
今、その建物がどんな状態なのか。
そして、
その状態を、売主・買主・仲介がどこまで共有できているのか。
です。
例えば同じ築50年以上でも、
今すぐ対応した方がいい不具合がある家。
部分補修で対応できる家。
経過を見ながら使える家。
今後の使い方を考えてから工事を決めた方がいい家。
それぞれ違います。
だから築年数だけではなく、
建物の状態を確認する。
何が起きているのか整理する。
どこまで分かっていて、どこから先は分からないのか整理する。
そのうえで、
売買に必要な説明材料として共有する。
ここまでできて初めて、
売主・買主・仲介が同じ情報を見ながら判断しやすくなります。

不動産会社が、建物の状態判断まですべて背負う必要はありません
不動産会社は、不動産売買の専門家です。
一方で、
基礎のひび割れ。
床の傾き。
雨漏り跡。
外壁の劣化。
床下や小屋裏。
過去の増改築。
こうしたものを見つけた時に、
「これは危険です」
「この工事が必要です」
「この金額を値引きすべきです」
と、建物側の判断まですべて背負う必要はないと考えています。
真HMSも、不動産売買を判断する立場ではありません。
売るのか。
買うのか。
価格をどうするのか。
残すのか。
解体するのか。
最終的に判断するのは、売主様や買主様です。
私が現役大工×建築士として見るのは、
「この建物は、今どんな状態なのか」
という建物側です。
そこで確認できた事実と、
そこから考えられること。
さらに確認が必要なこと。
現時点では分からないこと。
これらを分けて整理します。
不動産の判断と、建物の判断は同じではありません。
それぞれの専門家が、自分の専門分野を担当する。
その方が、売主・買主・仲介の全員にとって分かりやすい売買につながると考えています。
実際の築50年以上の住宅でも、売買判断が止まっていました
今回ご相談いただいたのは、
・築50年以上
・正確な築年数は不明
・約3年間空き家
という木造住宅でした。
当初は売却予定でした。
しかし、
築年数が分からない。
残置物が多い。
空き家期間がある。
建物の状態も分からない。
そのため、
「この家をどう扱えばいいのか分からない」
という状態になっていました。
ここで重要なのは、
「古いから売れない」
という話ではありません。
何が問題なのか。
どこまで問題なのか。
どこまで使えるのか。
どこまで説明できるのか。
その判断材料が揃っていなかったことです。
そこで、既存住宅状況調査を行い、現在確認できる建物状態を整理しました。
劣化事象が見つかっても、すぐ全面改修とは限りません
現地では、
基礎のひび割れ。
外壁トタンのサビ。
天井の雨染み。
部分的な床の傾斜。
などを確認しました。
ただし、
「劣化事象がある」=「全面改修が必要」
ではありません。
例えば、基礎にひび割れがあれば、
「ひび割れがあります」
で終わらせるのではなく、
どこにあるのか。
どの程度なのか。
周囲にどんな状態が見られるのか。
まず確認できる事実を整理します。

外壁トタンについても、今回確認した範囲では、部分的な対応を検討できる状態でした。
つまり、
築50年以上だから、今すぐ全面改修しなければならない
という判断にはなりませんでした。
劣化事象を見つけた時に、
それをそのまま値下げ材料や工事へ変えるのではなく、
売買を考えるための判断材料へ変える。
ここが重要です。
床の傾きも「傾いている」だけでは判断できません
床については、レーザーを使って状態を確認しました。

築古住宅では、
施工当時の精度。
木材の変形。
これまでの使われ方。
建物全体の状態。
さまざまな要素があります。
そのため、
少し傾きがある。
ビー玉が転がる。
という一つの現象だけで、
建物全体に大きな問題があるとは判断できません。
今回確認した範囲では、大きな問題と思われる床の傾きは確認されませんでした。
また、主要な柱についても確認し、ほぼ垂直を維持していました。
だから今回必要だったのは、
「築50年以上だから危険か?」
ではなく、
「築50年以上のこの家は、今どんな状態なのか?」
という確認でした。
普段見えないところにも、売買の判断材料があります
築古住宅では、外から見える部分だけで状態を判断することはできません。
床下。
小屋裏。
雨漏りの痕跡。
構造部分。
過去に手を入れた部分。
普段の内覧では見えにくい場所にも、判断材料があります。

ただし、
見れば何でも分かるわけではありません。
ここは非常に重要です。
既存住宅状況調査をしても「全部分かる」わけではありません
既存住宅状況調査は、基本的に目視・非破壊で行う調査です。
壁を壊す。
床を全部めくる。
天井を解体する。
そうした破壊調査ではありません。
そのため、
壁の中。
仕上げ材の裏。
確認できない構造部分。
隠れた配管。
など、
壊さなければ分からない部分は残ります。
だから私は、
「調査したから、この家は全部大丈夫です」
という説明はしません。
大切なのは、
何が確認できたのか。
何が確認できなかったのか。
現時点でどこまで判断できるのか。
そこを分けて伝えることです。
分からないものを、分かったことにしない。
それも築古売買では大切な判断材料だと思います。
「聞いていない」は、建物が古いから起きるわけではありません
以前、別の中古マンションでリフォーム工事をご依頼いただいた時のことです。
決済後に、室内ドアの破損が分かりました。
契約上は現状渡し。
本来は買主側で対応する状態でした。
しかし、
「その説明は聞いていない」
という話になり、
売主・買主・仲介の間で調整が必要になりました。
これは、
「契約が甘かった」
という単純な話ではありません。
売主は分かっていた。
仲介は伝えたつもりだった。
でも買主には伝わっていなかった。
こうした認識差は、築古住宅でも起こり得ます。
だから、
壊れているかどうかだけではなく、
誰が、何を、どこまで把握しているのか。
そして、
何を共通の判断材料として共有するのか。
そこを整理する意味があります。
引渡し前に「とりあえず直す」が正解とも限りません
不具合が見つかると、
「引渡し前に直しておこう」
となることがあります。
もちろん、直した方がいいものもあります。
ただ、
原因が分からないまま表面だけ直す。
必要な範囲が分からないまま工事する。
誰がどこまで負担するのか曖昧なまま進める。
これでは、工事をしたことが新しい認識差につながる場合もあります。
まず、
何が起きているのか。
何を直す必要があるのか。
どこまで直すのか。
そこを整理してから工事へ進む。
修繕することと、問題を整理することは同じではありません。
売主・買主・仲介が「同じ建物情報」を見られる状態をつくる
築古売買で、建物側からできることはシンプルです。
まず、建物の状態を確認する。
次に、
何が起きているのか整理する。
そして、
確認できたこと。
確認できなかったこと。
対応を考えた方がいいこと。
現時点では急がなくてもいいこと。
必要に応じて追加確認した方がいいこと。
これらを整理する。
その情報を、
売主・買主・仲介が共有できる判断材料にする。
ここまでが、真HMSが建物側からできる仕事です。
その材料を見たうえで、
売却価格をどうするのか。
購入するのか。
修繕するのか。
現状渡しにするのか。
そこから先は、不動産売買としての判断になります。
買主側には、買主側の判断があります
同じ建物でも、
売主側と買主側では知りたいことが違います。
不動産会社側では、
「何を説明材料として整理するか」
が重要になります。
一方、購入を考えている人にとっては、
「この家を、この状態で買って大丈夫なのか」
が入口になります。
売る側と買う側で立場は違っても、
共通して必要なのは、
建物の状態を知らないまま判断しないこと。
だと思います。
不動産会社と建物専門家は、役割を分けていい
不動産会社が、
床の傾きの原因まで判断する。
雨染みの原因まで断定する。
基礎のひび割れから必要工事まで決める。
そこまですべて背負う必要はありません。
不動産会社は、不動産売買の専門家。
真HMSは、木造住宅の建物側を確認する立場。
役割を分ければいいと思います。
私は現役大工として25年以上、木造住宅の現場に関わり、現在は二級建築士として既存住宅状況調査も行っています。
調査で不具合を探すことだけが目的ではありません。
その建物について、何を判断材料として共有すればいいのか。
そこまで整理します。
そして、建物側の情報が整理された状態で、不動産会社が売買の専門家として次の判断へ進む。
それが、
「聞いていない」を減らすための役割分担
だと考えています。
まとめ|築古売買では「建物情報を共有できる状態」をつくる
築古住宅は、
古いから価値がない。
古いから危険。
新しいから安心。
そんな単純なものではありません。
大切なのは、
今までどう維持されてきたのか。
今どんな状態なのか。
これからどう使う建物なのか。
そして不動産売買では、
そこにもう一つ、
売主・買主・仲介が、同じ建物情報を共有できているか。
という視点が加わります。
劣化が見つかったから、すぐ値下げする。
古いから、全部直す。
不安だから、とりあえず修繕する。
その前に、
建物の状態を確認する。
何が起きているのか整理する。
必要な説明材料をつくる。
そのうえで売買を判断する。
「聞いていない」を完全になくすことはできません。
既存住宅状況調査でも、建物のすべてが分かるわけではありません。
それでも、
今確認できる建物情報を整理し、関係者が同じ材料を見ながら判断できる状態をつくることはできます。
真HMSでは、不動産会社様からの
売却前。
契約前。
引渡し前。
のご相談にも対応しています。
建物の状態をどこまで確認するべきか。
どこまで説明材料として整理するべきか。
修繕するなら、何を確認してから判断するべきか。
不動産売買を決めるのではなく、建物側の判断材料を整理します。









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