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築50年以上の空き家は危険?|壊す前に確認したい「住宅の判断」と既存住宅状況調査【大府市・名古屋市】

執筆者の写真: 坪井 真行
坪井 真行
5月8日
読了時間: 10分

更新日:9月30日



築50年以上の空き家を見ると、

「もう建物に価値はないのではないか」

「全面リフォームが必要ではないか」

「解体した方が早いのではないか」

と考える方も少なくありません。

でも、築年数や見た目だけでは、



壊す。

直す。

残す。

売る。



そのどれが正しいのかは決められません。

実際に私が調査した築50年以上の木造住宅も、

基礎のひび割れ。

外壁トタンのサビ。

床の傾き。

天井の雨染み。

といった不具合がありました。

それでも、


「築50年以上だから、すぐ壊すしかない」

という状態ではありませんでした。


では、何を見て、どう判断するのか。

この記事では、実際の調査事例を使いながら、



真HMSが考える「住宅判断」の進め方

を整理します。



結論|住宅判断は「工事を決めること」ではありません



住宅判断というと、

「直すか、直さないかを決めること」

と思われるかもしれません。

でも、私はそう考えていません。

まず確認するのは、

・現在の建物の状態

・不具合の原因

・進行性と緊急性

・今後の使い方

・家族の暮らしや人生設計

・希望と予算

です。


そこから、

今すぐ対応する。

短期で考える。

中長期で備える。

現時点では工事をしない。

というように選択肢を整理します。

つまり、


診断は、現在の状態という「事実」を整理すること。

住宅判断は、その事実から「選択肢」を整理することです。


工事は、その後にある選択肢の一つです。



住宅判断は「建物の状態」だけでも決まりません



例えば、同じ不具合がある住宅でも、

あと5年使う家。

これから20年住み継ぐ家。

売却する家。

賃貸として活用する家。

では、必要な対応が変わります。

建物だけを見て、

「この工事をしてください」

では足りません。

反対に、

暮らしや予算だけを見て、

建物の状態を無視することもできません。

必要なのは、



建物の状態と、これからどう使いたいのかを一緒に考えること。



これが、真HMSでいう住宅判断です。

住宅について誰かに何かを言われた時、

その言葉だけで工事や売却を決める必要はありません。


「誰かの言葉」だけで決めないという考え方については、

こちらの記事で詳しく整理しています。

誰かの言葉だけで工事を決めず住宅の判断材料を整理する関連記事|大府市・名古屋市


住宅判断は、この5つの順番で整理します



1.建物の状態を確認する


最初から工事を考えるのではなく、

まず、


今、その建物がどうなっているのか。


を確認します。

築年数や見た目だけではなく、

基礎。

床。

柱。

建具。

外壁。

床下。

小屋裏。

など、確認できる範囲から建物の状態を整理します。

ここで行うのが、既存住宅状況調査などによる建物側の確認です。



2.症状と原因を分ける


次に、


見えている症状と、その原因を分けて考えます。


例えば、

天井に雨染みがある。

だから真上の屋根を直す。

とは限りません。

床が傾いている。

だから建物全体が不同沈下している。

とも限りません。

目の前に見えているものは、あくまで症状です。

何が起きているのかを確認してから、必要な対応を考えます。



3.進行性と緊急性を整理する


不具合があることと、


今すぐ大規模な工事が必要なことは同じではありません。


追加確認が必要なのか。

経過を見られるのか。

早めに対応した方がいいのか。

現在も進行しているのか。

ここを整理します。



4.今後の使い方と照らし合わせる


建物側の状態が分かってきたら、

次は、


この家をこれからどうしたいのか。


を考えます。

売却する。

自分や家族が住む。

賃貸として活用する。

短期間だけ使う。

長く住み継ぐ。

目的が変われば、必要な工事も変わります。



5.対応する時期を仕分ける


最後に、確認した内容を、

・今すぐ対応すること

・短期で考えること

・中長期で備えること

・現時点では工事不要とすること

へ仕分けます。



「現時点では工事不要」も、住宅判断の一つです。



もちろん、

永久に何もしなくていい、

という意味ではありません。

現在の状態と今後の使い方を考えた結果、


今は工事をしない。


という選択肢も残すということです。



【実証事例】築50年以上・約3年間空き家だった住宅



ここからは、実際の住宅で見てみます。

今回、既存住宅状況調査をご依頼いただいたのは、不動産業者様でした。

建物は、

・築50年以上

・約3年間空き家

・室内に残置物が多数

・売却を一度見送った木造住宅

でした。

当初は売却予定でしたが、大幅な値引き交渉を受けたことから、


「売却するだけでなく、自社で保有して活用できないか」


という選択肢が生まれました。

中古住宅や空き家の選択肢は、

「売る」

「壊す」

だけではありません。

建物の状態と目的によっては、

残す。

貸す。

保有して活用する。

必要な部分だけ直す。

という判断もあります。

だからこそ、


先に工事や解体を決めるのではなく、現在の建物状態を確認する必要がありました。



実際に建物を確認すると、不具合はいくつもありました



現地では、目視と非破壊調査を中心に、

・基礎のひび割れ

・外壁トタンのサビ

・床の傾き

・柱の状態

・建具の動き

・天井の雨染み

・小屋裏の状態

などを確認しました。

確認された主な症状は、

・床の一部に約2mm程度の傾き

・柱の一部に約4mm程度のズレ

・基礎のひび割れ

・外壁トタンのサビ

・天井の雨染み

です。

問題がなかったわけではありません。

でも一方で、今回確認した範囲では、

・大きな構造破壊

・建物全体の著しい軸の崩れ

・今すぐ使用を中止すべき危険性

・明確に現在も進行している漏水

までは確認されませんでした。

つまり、この建物は、


「問題が何もない家」ではありません。

でも、

「築50年以上だから、すぐに壊すしかない家」でもありませんでした。


今回の判断は、



傷んでいる部分はあるものの、今後の使い方によっては活用を検討できる状態



でした。

これが、

「築50年以上だから危険」

という築年数だけの判断と、

実際の建物を確認したうえで行う住宅判断の違いです。



外壁トタンと基礎付近の状態
築年数や外観だけで判断せず、外壁や基礎など現在確認できる建物状態を一つずつ整理します。


一つの症状だけで、建物全体を決めない



今回の建物でも、

一つ一つを見ると気になる症状があります。

でも、



一つの症状だけを見て、家全体の結論を出すことはしません。



基礎のひび割れ


基礎にひび割れがあれば、

「ひび割れているから危険」

で終わりではありません。

位置。

幅。

周囲の状態。

建物全体との関係。

などを確認します。



住宅基礎に生じたひび割れの確認状況
基礎のひび割れも、ある・ないだけではなく、位置や周囲の状態などを確認して判断材料にします。

床の傾き


床の傾きについても、

数値だけでは判断しません。

傾きの範囲。

傾きの方向。

柱や建具への影響。

基礎や床下の状態。

進行性の有無。

などを合わせて見ます。

今回確認した範囲では、建物全体の軸が崩れている状態とは判断しませんでした。



レーザーを使用して室内の傾きを確認している様子
床や建物の傾きは、感覚だけではなく測定し、他の状態と合わせて判断します。

床の傾きやフカフカについては、こちらの記事で詳しく整理しています。


床がフカフカする・沈む・傾く時に、原因や床下の状態、工事の必要性を確認する住宅判断


天井の雨染み


天井に雨染みがあっても、

現在進行中の雨漏りとは限りません。

今回、小屋裏まで確認した範囲では、明確に水が流れている痕跡までは確認されませんでした。

ただし、


雨漏りの可能性がゼロと断定したわけでもありません。


分からないものを、分かったことにはしません。



木造住宅の小屋裏にある梁や屋根下地の状態
天井の染みだけで原因を決めず、小屋裏など確認できる範囲まで見て判断材料を整理します。

雨漏りの原因確認と工事の順番については、こちらの記事で詳しく整理しています。


雨漏り修理がすぐ必要か原因と順番から判断する真HMSの解説記事案内バナー


調査をしたから、建物のすべてが分かるわけではありません


ここも大切です。

既存住宅状況調査は、基本的に目視・非破壊で行います。

壁を壊す。

床を全部めくる。

天井を解体する。

そうした破壊調査ではありません。

そのため、

確認できない壁の中。

仕上げ材の裏。

隠れた構造部分。

など、


壊さなければ分からないことは残ります。


住宅判断は、

「全部分かったから判断する」

というものではありません。

確認できたこと。

確認できなかったこと。

追加確認した方がいいこと。

現時点で判断できること。

それらを分けて整理します。



分からないものを、分からないまま判断材料として残す。



これも重要だと考えています。



判断するなら、選択肢が残っているうちに



住宅判断は、

工事が始まってから行うより、


まだ選択肢が残っている段階で行う方が意味があります。


例えば、

中古住宅を購入する前。

リフォームを契約する前。

空き家を解体する前。

売却方法を決める前。

この段階なら、

工事をする。

工事範囲を減らす。

別の方法を考える。

経過観察にする。

購入を見送る。

残して活用する。

といった選択肢が残っています。

一方で、契約や解体が進めば、

選べる範囲は少しずつ狭くなります。

だから住宅判断は、



契約後の答え合わせではなく、選択肢を残すために行うもの

だと考えています。



必要な工事が見えてから、工事の話をする



建物の状態を確認して、

今後どう使うのかを整理して、

必要な対応が見えてきた。

そこで初めて、

具体的な工事を考えます。

どこまで直すのか。

どんな方法で直すのか。

いつ直すのか。

誰が施工するのか。

誰が現場を確認するのか。

その工事が現場で成立するのか。

ここから先は、


住宅判断から工事計画へ移る段階です。


見積もりも、単なる金額表ではありません。

工事範囲や方法、責任範囲まで含めた工事計画です。

見積もりについて詳しく知りたい方は、こちらで整理しています。

リフォームの見積もりを金額だけで比較せず、原因や工事範囲、施工内容から判断するポイント


また、

実際に工事へ進む場合には、完成後には見えなくなる納まりや施工順序まで考える必要があります。

その部分は、現役大工の視点についてまとめた記事で詳しく説明しています。

現役大工の視点で住宅の下地・納まり・雨仕舞いを判断する関連記事へのリンク


よくある質問



Q.築年数が古ければ、解体した方が安全ですか?


A.築年数だけでは判断できません。

構造の状態、不具合の進行性、今後の使い方、必要な工事範囲、予算を整理する必要があります。



Q.不具合が見つかったら、必ず工事が必要ですか?


A.不具合があることと、今すぐ工事が必要なことは同じではありません。

追加調査、経過観察、部分補修、現時点では工事不要という判断もあります。



Q.住宅診断と住宅判断は何が違いますか?


A.真HMSでは、


住宅診断は、現在の建物状態という「事実」を整理すること。

住宅判断は、その事実と今後の暮らしや目的を照らし合わせ、「選択肢」を整理すること。


と考えています。



Q.調査後の工事は、必ず真HMSへ依頼する必要がありますか?


A.工事を依頼するかどうかは、お客様が判断します。

真HMSは、建物の状態、必要な対応、残るリスク、希望、予算を整理し、納得して選べる状態をつくります。

工事を希望された場合には、必要な専門職を選定し、施工管理まで対応します。



まとめ|住宅判断は「何をするか」を決める前に行う



築50年以上の空き家でも、

「古いから危険」

「傷んでいるから全面改修」

「価値がないから解体」

と一律に決めることはできません。

まず、


今、その建物がどうなっているのか。


を確認する。

次に、

原因。

進行性。

緊急性。

を整理する。

そして、

家族の暮らし。

今後の使い方。

人生設計。

希望。

予算。

と照らし合わせる。

そのうえで、

今すぐ対応する。

短期で考える。

中長期で備える。

現時点では工事をしない。

という選択肢へ仕分けます。

今回の築50年以上の住宅も、

問題が何もない家ではありませんでした。

でも、


築50年以上という理由だけで、壊すしかない家でもありませんでした。


診断で事実を整理する。

その事実から選択肢を整理する。

そして必要になったものだけを、工事や次の行動へつなげる。



それが、真HMSの考える住宅判断です。



建物の状態を確認したい方は、既存住宅状況調査の内容・料金・対応範囲をご確認いただけます。

住宅の状態を調べて整理し、必要な工事を判断する真HMSの住宅判断・既存住宅状況調査の案内バナー


また、

「何を調べればいいのか分からない」

「壊すか残すかから迷っている」

「提案された工事が本当に必要なのか整理したい」

という段階でも大丈夫です。

写真、図面、見積書などがあれば、LINEから送っていただけます。


まず、何を確認し、どの順番で判断する必要があるのかを整理します。


建物の状態や気になる箇所を写真やメッセージで真HMSにLINE相談できる案内バナー


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