築50年以上の空き家は危険?|壊す前に確認したい「住宅の判断」と既存住宅状況調査【大府市・名古屋市】
- 坪井 真行

- 5月8日
- 読了時間: 8分
更新日:7月7日
築50年以上の空き家を見ると、
「もう建物に価値はないのではないか」
「全面リフォームが必要ではないか」
「解体した方が早いのではないか」
と考える方も少なくありません。
しかし、築年数や見た目だけで、壊すか直すかを決めることはできません。
先に確認すべきなのは、
・現在の建物の状態
・不具合の進行性と緊急性
・今後の使い方
・家族の暮らしや人生設計
・希望と予算
です。
あと5年使う家と、これから20年住み継ぐ家では、同じ不具合が見つかっても必要な対応は変わります。
真HMSでは、工事を先に決めるのではなく、建物の状態と今後の目的を整理してから、必要な対応を考えます。
結論|築50年以上でも、すぐ解体とは限りません
築50年以上の空き家に、
・数年間の空き家期間
・天井の雨染み
・基礎のひび割れ
・外壁トタンのサビ
・床の傾き
があっても、それだけで解体や全面改修が必要とは限りません。
反対に、
「古いけれど、まだ使えそう」
という見た目だけで、問題がないとも判断できません。
必要なのは、
築年数ではなく、現在の状態と今後の目的から判断すること
です。

住宅診断と「住宅判断」は同じではありません
住宅診断では、
・床の傾き
・基礎のひび割れ
・外壁の劣化
・天井の雨染み
など、現在の建物の状態を確認します。
これは、判断に必要な「事実」を整理する作業です。
しかし、事実を並べただけでは、
「何を直すべきか」
「今すぐ工事が必要か」
「どこまで費用をかけるか」
までは決まりません。
住宅判断では、確認した事実について、
・原因は何か
・現在も進行しているか
・緊急性があるか
・追加確認が必要か
・部分的な対応で済むか
を整理します。
そのうえで、
・家族構成
・暮らし方
・人生設計
・資金計画
・希望
・予算
と照らし合わせます。
診断は、現在の状態という「事実」を整理すること。
住宅判断は、その事実から「選択肢」を整理することです。
壊す前・契約前に確認する5つの順番
1.建物の状態を確認する
築年数や見た目だけでなく、基礎、床、柱、建具、外壁、小屋裏などを確認します。
2.症状と原因を分ける
天井に雨染みがあっても、原因が真上の屋根とは限りません。
床が傾いていても、すぐに不同沈下や構造破壊と断定できるわけではありません。
3.進行性と緊急性を整理する
不具合があることと、今すぐ大規模工事が必要なことは同じではありません。
追加調査、経過観察、早期対応のどれに当たるのかを整理します。
4.今後の使い方と照合する
・売却する
・自分や家族が住む
・賃貸として活用する
・短期間だけ使う
・長く住み継ぐ
目的が変われば、必要な工事も変わります。
5.対応時期を仕分ける
確認した内容を、
・今すぐ対応すること
・短期で考えること
・中長期で備えること
・現時点では工事不要とすること
へ仕分けます。
「現時点では工事不要」は、永久に何もしなくてよいという意味ではありません。
現在の状態と今後の使い方から、今は工事を行わないと判断することです。
【実証事例】築50年以上・約3年間空き家だった住宅
今回、既存住宅状況調査をご依頼いただいたのは、不動産業者様でした。
建物は、
・築50年以上
・約3年間空き家
・室内に残置物が多数
・売却を一度見送った木造住宅
でした。
当初は売却予定でしたが、大幅な値引き交渉を受けたことから、
「売却するだけでなく、自社で保有して活用できないか」
という選択肢が生まれました。
中古住宅や空き家の選択肢は、
・売る
・壊す
だけではありません。
状態と目的によっては、
・残す
・貸す
・保有して活用する
・必要な部分だけ直す
という判断もあります。

現地で確認した事実
現地では、目視と非破壊調査を中心に、
・基礎のひび割れ
・外壁トタンのサビ
・床の傾き
・柱の状態
・建具の動き
・天井の雨染み
・小屋裏の状態
などを確認しました。
確認された主な症状は、
・床の一部に約2mm程度の傾き
・柱の一部に約4mm程度のズレ
・基礎のひび割れ
・外壁トタンのサビ
・天井の雨染み
です。
一方で、今回確認した範囲では、
・大きな構造破壊
・建物全体の著しい軸の崩れ
・今すぐ使用を中止すべき危険性
・明確に現在も進行している漏水
までは確認されませんでした。
この建物は、
「問題が何もない家」
ではありません。
しかし、
「築50年以上だから、すぐに壊すしかない家」
でもありませんでした。
今回の判断は、
傷んでいる部分はあるものの、今後の使い方によっては活用を検討できる状態
でした。
一つの症状だけで工事を決めない
床の傾き
床の傾きは、数値だけでなく、
・傾きの範囲
・傾きの方向
・柱や建具への影響
・基礎や床下の状態
・進行性の有無
を合わせて判断します。
今回確認した範囲では、建物全体の軸が崩れている状態とは判断しませんでした。

床の傾きやフカフカについては、こちらの記事で詳しく整理しています。
天井の雨染み
天井の雨染みがあっても、現在進行中の雨漏りとは限りません。
今回、小屋裏まで確認した範囲では、明確に水が流れている痕跡までは確認されませんでした。
ただし、雨漏りの可能性がゼロと断定したわけではありません。
雨漏りは、染みの位置だけで工事範囲を決めず、原因と水の通り道を整理する必要があります。

雨漏りの原因確認と工事の順番については、こちらの記事で詳しく整理しています。
外壁トタンのサビ
外壁トタンのサビも、
・表面のサビで止まっているか
・穴あきがあるか
・下地まで傷んでいるか
・雨水浸入につながっているか
・今後何年使う予定か
によって対応が変わります。
全面改修、部分交換、防錆処理のどれが適切かは、建物の状態と今後の目的、ご予算を合わせて判断します。
住宅判断は契約前に行うことが原則です
不動産の購入契約やリフォーム工事の契約は、工事内容や金額への判断を確定する行為です。
契約後には、
・材料の発注
・職人の手配
・工程の調整
・工事範囲の確定
が始まります。
そのため、
・工事をしない
・工事範囲を減らす
・別の方法を考える
・経過観察にする
・購入を見送る
という選択肢は、契約前の方が残されています。
住宅診断や住宅判断は、契約後の答え合わせではありません。
まだ選択肢が残されている契約前に、建物の状態、工事の必要性、範囲、費用、希望、予算を整理するために行うものです。
また、見積もりは単なる金額表ではありません。
どこまで直し、どのような方法で工事を行い、誰がどこまで責任を持つのかを示す工事計画です。
誰が確認し、誰が工事完了まで責任を持つのか
住宅工事では、
・建物を確認する人
・工事を提案する人
・見積もりを作る人
・実際に施工する人
・施工を管理する人
が分かれていることがあります。
それぞれが自分の担当範囲だけを見ていると、判断や責任の境界が曖昧になることがあります。
真HMSは、現役大工と建築士の視点から、
・どこまで触る必要があるか
・どの順番で工事するか
・どの専門職が必要か
・工事が現場で成立するか
・施工中に何を確認するか
・何をもって工事完了とするか
まで整理します。
必要な工事と、今は行わない工事を分けたうえで、お客様が工事を希望される場合には、必要な専門職を選定し、施工管理を行い、工事完了まで責任を持って対応します。
よくある質問
Q.築年数が古ければ、解体した方が安全ですか?
A.築年数だけでは判断できません。
構造の状態、不具合の進行性、今後の使い方、必要な工事範囲、予算を整理する必要があります。
Q.不具合が見つかったら、必ず工事が必要ですか?
A.不具合があることと、今すぐ工事が必要なことは同じではありません。
追加調査、経過観察、部分補修、現時点では工事不要という判断もあります。
Q.調査後の工事は、必ず真HMSへ依頼する必要がありますか?
A.工事を依頼するかどうかは、お客様が判断します。
真HMSは、建物の状態、必要な対応、残るリスク、希望、予算を整理し、納得して選べる状態をつくります。
まとめ|築年数ではなく、状態と目的から判断する
築50年以上の空き家でも、
「古いから危険」
「傷んでいるから全面改修」
「価値がないから解体」
と一律に決めることはできません。
大切なのは、
・現在の状態
・不具合の進行性
・今後の使い方
・必要な対応時期
・希望と予算
を整理することです。
今回の建物も、問題が何もない家ではありませんでした。
しかし、築50年以上という理由だけで、すぐに壊すしかない家でもありませんでした。
真HMSの既存住宅状況調査では、建物の状態を確認し、必要な工事、まだ急がなくてもよい工事、今後考えておくことを整理します。
調査内容、料金、対応範囲については、こちらのページでご確認いただけます。
築古住宅や空き家を、
・残すか壊すか迷っている
・売却するか活用するか決められない
・大規模リフォームを提案されている
・契約前に工事の必要性を確認したい
という場合は、工事や契約を急ぐ前にご相談ください。
写真、図面、見積書などがあれば、LINEから送っていただけます。
まず、何を確認し、どの順番で判断する必要があるのかを整理します。
その工事、本当に必要ですか?
リフォームの前にやるべきことは、壊す前、契約する前に判断材料を整理することです。





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