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同じ木造住宅でも、築年数でリフォームの考え方は変わる築浅・築30年・築50年で見るべき場所は変わります【大府市・名古屋市】

  • 執筆者の写真: 坪井 真行
    坪井 真行
  • 7月5日
  • 読了時間: 14分

真HMSは、大府市・名古屋市周辺で、木造住宅の既存住宅状況調査・住宅診断・ホームインスペクション・リフォーム前相談を行う、現役大工×二級建築士の木造住宅専門の判断屋です。


「その工事、本当に必要ですか?」という視点で、建物の状態と工事前の判断材料を整理し、お客様の希望や予算を踏まえて必要な工事を見極め、必要であれば工事完了まで責任を持って対応しています。


昨日の記事では、リフォームを考える前に、まず建物の構造と築年数を確認する必要があると書きました。


今回はそこから一歩進めて、同じ木造住宅でも、築年数によってリフォームの考え方がどう変わるのかを深掘りしていきます。


築年数は、単に古いか新しいかを見る数字ではありません。


その住宅が、どの時代の考え方で建てられたのか。

どの工法が使われている可能性があるのか。

どこに不具合が出やすい時期なのか。

リフォームで何を先に確認すべきなのか。


それらを考えるための、ひとつの判断材料です。


ただし、築年数だけで家の良し悪しは決まりません。


築年数からある程度の予測はできます。

しかし、実際に現場を見ていない段階では、それはあくまで予測です。


最後は、現場を見て判断する必要があります。


結論:築年数で見る場所は変わります。でも答えは現場にあります


同じ木造住宅でも、築10年、築30年、築50年では、リフォーム前に見るべき場所が変わります。


築浅の住宅なら、新しい材料や制度の安心材料があります。


築20年から30年の住宅なら、外壁、防水、シーリング、水回り、床暖房、断熱などを確認する時期に入ります。


築40年から50年以上の住宅なら、雨漏り、基礎、床組み、蟻害、これからの使い方まで含めて考える必要があります。


つまり、築年数は答えではありません。


築年数は、現場で何を疑い、何を確認するべきかを整理するための入口です。


築浅の木造住宅は、新しいから安心とは限りません


築浅の木造住宅には、昔の住宅にはなかった安心材料が多くあります。


プレカットの普及により、構造材の加工精度は安定しやすくなりました。


瑕疵保険や図面、各種書類が整っていることも多く、在来工法であれば、どのように造られているかを予測しやすい面もあります。


地盤調査や地盤改良が行われている住宅も多く、段取りや制度の面では、昔より安心材料が増えていると感じます。


一方で、築浅だから何も心配がないとは言い切れません。


最近の住宅では、片流れ屋根や軒の出が少ない住宅、いわゆる軒レスに近いデザインなど、見た目を重視した形も増えています。


そうした住宅では、雨水をどう受けて、どう流して、どう逃がすかという雨仕舞いの考え方がとても大切になります。


【天井断熱 HGGW150mm 75mm縦横施工】

高断熱・高気密仕様の木造住宅で天井に高性能グラスウール150mmを施工した様子
高断熱・高気密仕様の新築木造住宅で、天井断熱を75mm縦横施工により150mmで納めた事例です。

この写真は、私が施工した新築住宅の天井断熱です。


高断熱・高気密仕様として、天井に高性能グラスウールを150mm施工しています。


75mmを縦横に重ねて150mmにすることで、断熱材の継ぎ目や欠損が出にくいように考えた施工です。


確認した内容

天井面の断熱材の入れ方、継ぎ目、木下地との取り合い、配線まわりを確認しました。


確認方法

施工中に、目視で断熱材の納まりを確認しています。


真HMSの判断

断熱材は、ただ厚く入れればよいものではありません。


隙間ができにくい入れ方になっているか。

配線や下地まわりで欠損が出ていないか。

気密や防湿の考え方と合っているか。


そこまで確認して、初めて断熱施工として意味があります。


この写真は不具合写真ではありません。

むしろ、断熱施工を考えて納めた事例です。


次に確認すべきこと

新築でもリフォームでも、断熱は完成すると見えなくなります。


そのため、工事中に、

・断熱材の欠損がないか

・押し込みすぎていないか

・配線まわりに隙間がないか

・防湿や気密の考え方と矛盾していないか

を確認する必要があります。


マニュアル通りでは納まらない現場があります


近年の新築住宅では、防水テープ、防水シート、専用役物、メーカーごとの施工手順が整っています。


それ自体は悪いことではありません。

むしろ、一定の品質を保つためには大切なことです。


ただ、現場で一つひとつ納まりを考える機会は、昔より減っているのではないかと感じています。


新築では、窓まわりひとつを見ても、防水テープを貼り、防水シートを施工し、専用役物を使うなど、決められた手順で進められる場面が多くあります。


しかし、既存住宅のリフォームでは、マニュアル通りに納まらない現場が数多くあります。


たとえば、下屋の胴のし付近に窓が絡んでいるような住宅では、標準的な新築の手順だけでは判断できません。


雨水がどこから入り、どこを通り、どこへ逃げるのか。


その理屈を現場で組み立てて、防水の納まりを考える必要があります。


私の現場感覚としては、プレカットや役物、施工マニュアルが整ったことで、逆にマニュアルから外れた納まりを現場で考える経験が少なくなっているのではないかと感じています。


これは誰かを責める話ではありません。


現場の仕組みが変わってきたことで、職人同士が納まりを確認し合う機会や、全体の水の流れを現場で考える機会が減っているのではないか、という私の実感です。


職種ごとの分業が進むと、全体の雨仕舞いが見えにくくなることがあります


住宅の雨仕舞いは、大工だけで完結するものではありません。


大工。

屋根。

板金。

外壁。

防水。

サッシまわり。


それぞれの仕事がつながって、初めて雨水を外へ逃がす仕組みになります。


ただ、現場が分業化されるほど、


大工は大工の仕事をする。

屋根業者は屋根の仕事をする。

外壁業者は外壁の仕事をする。


という形になりやすい面があります。


たとえば大工が、


「この角、雨が入りそうだな」


と感じたとしても、自分の担当範囲ではないと、そのまま進んでしまうことがあります。


次に入る屋根業者や板金業者も、指示がなければ触らない。


現場監督がその納まりの危険性に気づけなければ、全体として水の流れを設計しないまま進んでしまう。


そのようなことが、現場で起こっているのではないかと感じることがあります。


だからこそ、築浅住宅でも、片流れ屋根、軒の出が少ない住宅、サッシまわり、外壁との取り合い、防水処理は確認が必要です。


築浅住宅は、制度や材料の面では安心材料が多い。

しかし、現場の納まりまで見なければ、本当の判断はできません。


築20年から30年の木造住宅は、外壁・防水・断熱・設備を見る時期です


築20年から30年ほどの木造住宅は、リフォームを検討する方が増える時期です。


外壁塗装。

屋根。

水回り。

床。

ベランダ防水。

シーリング。


こうした工事の相談が増えてきます。


この年代は、カラーサイディングが一般的に使われ始めた時期とも重なります。


外壁の表面だけでなく、シーリング、防水、下地の状態まで確認する必要があります。


外壁塗装をしていても、シーリングが適切に打ち替えられていないことがあります。


見た目はきれいでも、目地や取り合い部分から雨水が入る可能性があります。



【外壁コーキング劣化写真】

築20年から30年程度の木造住宅で外壁シーリングに割れや隙間が生じている様子
外壁シーリングの劣化は、築20年から30年の木造住宅で確認すべき判断材料の一つです。

この写真では、外壁のシーリングが劣化し、切れや隙間が見られます。


確認した内容

外壁材の目地、出隅部分、シーリングの割れ、隙間、劣化状況を確認しました。


確認方法

外部からの目視確認です。


真HMSの判断

写真のような状態では、表面のシーリングだけを見て判断するのではなく、雨水が入っていないか、下地まで傷んでいないかを考える必要があります。


ただし、写真だけで壁内の状態までは断定できません。


現時点で必要なのは、

・シーリングの補修で済むのか

・外壁塗装と合わせて行うべきか

・外壁材の浮きや反りがあるのか

・雨漏りや下地劣化が疑われるのか

を整理することです。


次に確認すべきこと

次に確認すべきことは、外壁全体の劣化状況、シーリングの施工範囲、過去の塗装履歴、室内側の雨染みの有無、サッシまわりやベランダとの取り合いです。


必要な工事は、シーリングだけとは限りません。

逆に、すぐに大規模工事が必要とも限りません。


建物の状態と今後の使い方に合わせて、短期対応か、中長期対応かを判断する必要があります。


築20年から30年の断熱は、入っているだけでは判断できません


この年代の住宅では、断熱材が入っていても、施工状態が不十分なことがあります。


断熱材が詰め込まれているだけ。

欠損している。

隙間がある。

押し込まれて性能が落ちている。

湿気や結露の影響を受けている。


こうした状態は、壁や床を開けてみないと分からないことがあります。


断熱は、入っているかどうかだけでは判断できません。


どのように入っているか。

隙間なく施工されているか。

防湿や気流止めまで考えられているか。


そこまで見て判断する必要があります。


床暖房がある住宅は、床工事の考え方が変わります


築20年から30年ほどの住宅では、床暖房が採用され始めた時期の建物もあります。


床暖房があると、床の張り替えは簡単ではありません。


床をめくればよい、という判断ができない場合があります。


床暖房を生かしたいのか。

撤去してもよいのか。

床の高さが変わるのか。

建具や段差に影響が出るのか。

既存の床が何層にもなっているのか。


これらによって、工事方法が変わります。


場合によっては、床暖房を生かすために薄い床材を上から貼る程度しか現実的な選択肢がないこともあります。


同じ「床の張り替え」でも、築年数や設備の有無によって、考え方は大きく変わります。


築40年から50年以上の木造住宅は、古いから危険とは限りません


築40年から50年以上の木造住宅では、直すのか、壊すのか、使い続けるのかという判断が必要になります。


この年代の住宅は、本当に一棟ごとの差が大きいです。


誰が大工棟梁として建てたのか。

雨漏りがあったのか。

基礎に大きな傾きがあるのか。

床組みは傷んでいるのか。

蟻害はあるのか。

どのように維持管理されてきたのか。


そこを見なければ判断できません。


ただ、古いからすべて悪いわけではありません。


当時の大工がしっかり建てた家で、雨漏りがなく、基礎に大きな問題がなければ、再生できる住宅もあります。


むしろ床組みが根太組みで、構造が素直な家の場合、今どきの複雑な住宅よりも直しやすいことがあります。


築50年だから危険。

築浅だから安心。


そういう単純な判断はできません。


【小屋裏・棟札写真】

築40年から50年以上の木造住宅の小屋裏で棟札と構造材を確認している様子
棟札は建物の良し悪しを直接判断する材料ではありませんが、建築時期や棟梁の名前を確認できることがあります。

この写真では、小屋裏に棟札が確認できます。


私は小屋裏に入ったとき、棟札があれば必ず見るようにしています。


ただし、棟札があるから建物が良い、ないから悪い、という話ではありません。


棟札には、棟梁の名前や建築時期が記されていることがあります。


職人として、


「どんな先人がこの家を建てたのだろう」


と気になるから見るのです。


確認した内容

小屋裏で、棟札の有無、屋根下地、梁、母屋、構造材の状態を目視で確認しました。


確認方法

小屋裏へ進入し、目視で確認しています。


真HMSの判断

棟札は、建物の良し悪しを直接判断する材料ではありません。


建物の状態は、あくまで現在の構造、雨漏り跡、木材の傷み、蟻害、傾き、維持管理の状態を確認して判断します。


ただ、築年数の古い住宅では、当時の大工仕事や構造の考え方が今より分かりやすく表れていることがあります。


そのため、小屋裏や床下は、築古住宅を判断するうえでとても重要です。


次に確認すべきこと

次に確認すべきことは、雨漏り跡の有無、木材の腐朽、蟻害、梁や母屋のたわみ、屋根下地の状態、床の傾き、基礎の状態です。


築古住宅を直すかどうかは、見た目だけでは判断できません。


小屋裏、床下、外部、内部を確認し、その家が今後も使える状態なのかを整理する必要があります。


同じ工事名でも、築年数で判断は変わります


たとえば、同じ「床の張り替え」でも、築年数によって判断は変わります。


築浅の住宅なら、仕上げ材の傷みや施工不良、床鳴り、下地の状態を中心に見ることが多くなります。


築20年から30年の住宅なら、床暖房、断熱、床下の湿気、水回りからの影響、過去のリフォーム履歴まで確認する必要があります。


築40年から50年以上の住宅なら、根太、大引、束、床下の湿気、蟻害、基礎、建物全体の傾きまで含めて考えます。


同じ「外壁工事」でも同じです。


築浅なら、サッシまわりや防水納まり、軒の出、片流れ屋根との関係を見る。

築20年から30年なら、シーリング、塗装履歴、防水、外壁材の劣化を見る。

築40年から50年以上なら、外壁材だけでなく、下地、雨漏り履歴、構造材への影響まで考える。


工事名だけでは判断できません。


築年数、構造、症状、今後の使い方まで見て、はじめて工事の優先順位が決まります。


築年数で予測はできます。でも、現場を見ない判断はできません


築年数を聞けば、ある程度の予測はできます。


この年代なら、外壁やシーリングが傷んでいるかもしれない。

この時期の住宅なら、断熱施工が不十分かもしれない。

この築年数なら、水回りや床下も確認した方がよい。

築古なら、雨漏りや蟻害、基礎の状態を見た方がよい。


しかし、それだけで工事を決めることはできません。


見ていない時点では、予測です。

勘です。

場合によっては、適当な判断になってしまいます。


だからこそ、真HMSでは現場を見ます。


写真だけでは断定できないことがあります。

図面だけでは分からないことがあります。

築年数だけでは判断できないことがあります。


現場は一棟ごとに条件が違います。


大切なのは、築年数から確認すべき場所を整理し、現場で事実を確認し、お客様の今後の暮らし方やご予算に合わせて判断し直すことです。


真HMSの住宅判断とは

真HMSは、調査で見つけた不具合を、そのまま工事へつなげる会社ではありません。


築年数、構造、現在の状態、これまでの維持管理、今後の使い方を確認したうえで、

今すぐ対応すること。

短期で考えること。

中長期で備えること。

現時点では工事不要とすること。

へ整理します。


そして、お客様の家族構成、暮らし方、人生設計、資金計画、ご希望、ご予算に照らし合わせて、必要な工事と今は行わない工事を分けます。


対応が必要な場合には、原因、工事範囲、時期、順序、必要な専門職を整理します。


そのうえで、お客様が納得して工事を希望する場合は、本当に必要な工事をご提案し、必要な専門職の選定、施工管理、工事完了まで責任を持って対応します。


これが、真HMSの住宅判断です。


工事を決める前に、一度立ち止まってみませんか


リフォームを考えるとき、大切なのは工事名を先に決めることではありません。


築年数を見て、構造を見て、症状を見て、今後の使い方を整理することです。


もし手元に写真や資料、契約前の見積書があれば、LINEで真HMSへ送ってください。


現場を見ていない段階でも、まずは


「どこを疑い、どの順番で考えるべきか」


のロードマップを整理してお返しします。


写真だけでは断定できない場合には、現地確認が必要な理由も含めてお伝えします。


まとめ:築年数は、答えではなく確認する場所を決める材料です


同じ木造住宅でも、築年数によってリフォームの考え方は変わります。


築浅住宅には、構造や制度の安心材料があります。

しかし、雨仕舞い、サッシまわり、軒の出、片流れ屋根など、現場の納まりを確認する必要があります。


築20年から30年の住宅では、外壁、防水、シーリング、断熱、水回り、床暖房など、メンテナンスとリフォームの判断が増えてきます。


築40年から50年以上の住宅では、古いから危険と決めつけず、雨漏り、蟻害、基礎、床組み、小屋裏、今後の使い方まで含めて判断する必要があります。


築年数は、家の良し悪しを決める数字ではありません。


築年数は、現場で何を見るべきかを整理するための材料です。


その工事、本当に必要ですか?


工事を決める前に、まず住宅判断を行ってください。


関連記事

前提として、リフォーム前に構造と築年数を確認する理由はこちらで整理しています。



見積もりを金額ではなく工事計画として考えたい方はこちらをご覧ください。



現役大工の視点が住宅判断に必要な理由はこちらで整理しています。


工事の前に、短期・中長期・工事不要へ整理する考え方はこちらです。


契約前に建物の状態と判断材料を整理したい方はこちらをご覧ください。


最後に:築年数だけでリフォームを決めないでください


もし今、リフォームや中古住宅購入、実家の修繕で迷っているなら、そのまま工事を決めてしまう前に一度ご相談ください。


「うちの築年数の場合はどう考えればいいのだろう」


と思ったら、まずは下のリンクから


「ブログを見ました」


と一言メッセージを送っていただけるだけで構いません。


大切な選択肢が残っている契約前の段階で、あなたの家に今本当に必要な判断材料を整理します。



リフォーム前に建物の状態と判断材料を整理したい方はこちらをご覧ください。



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