工務店の倒産は見分けられる?契約前に見る支払い条件
- 坪井 真行

- 8月8日
- 読了時間: 7分
更新日:8月10日
「この工務店、本当に大丈夫かな?」
新築や大きなリフォームを契約するとき、そんな不安を感じる方もいると思います。
実際、建設業を取り巻く環境は簡単ではありません。
帝国データバンクによると、2026年上半期の建設業では、倒産が1,043件、休廃業・解散が4,894件。合わせて5,937件となり、上半期として過去最多になりました。
その中でも、ハウスメーカーや工務店などを含む「木造建築工事」は947件です。
では、
倒産しそうな工務店を、契約前に見分けることはできるのでしょうか?
結論から言います。
私には分かりません。
一般のお客様が会社の資金繰りまで知るのは難しい
上場企業なら、公開されている決算資料などから財務状況を確認できます。
非上場企業でも、信用調査会社を利用する方法はあります。
でも、一般のお客様が住宅工事を頼むたびに、興信所や信用調査会社を使うでしょうか。
仮に調べたとしても、その会社が半年後、一年後にどうなっているかを完全に予測することはできません。
だから私は、
「倒産しない会社を見抜きましょう」
とは言いません。
それよりも、契約する側が自分で確認できることがあります。
それが、
工事代金の支払い条件です。
私が会社員だった頃の支払い方法
私が住宅会社で働いていた頃、一例として工事代金はおおむね、
契約時 手付100万円
着工時 30%
中間時 30%
完成時 40%
というように、工事の進み具合に合わせて受け取っていました。
もちろん、この割合がすべての工事に当てはまる正解というわけではありません。
工事内容や金額、高額な設備や材料をいつ発注するのかによって、支払い条件は変わります。
ただ、契約時点では確認申請の書類が揃った程度です。
まだ家が建っているわけではありません(笑)。
その段階で、工事代金の大部分を先に受け取る仕組みではありませんでした。
私はこの、
「工事の進み具合と、お金の支払いがある程度一緒に進んでいく」
という考え方は大切だと思っています。

住宅会社が倒産すると、現場では何が起きるのか
私が会社員だった頃、大きな住宅会社が倒産したことがあります。
会社名をここで出すつもりはありません。
そのとき被害を受けたのは、家を建てていたお客様だけではありませんでした。
現場で働いていた職人への支払いも滞りました。
現場に置かれていた道具や資材が、債権の回収代わりに持ち出されるような状況にもなります。
さらに当時、私が直接聞いた話では、倒産前に現金で支払うことができず、
「お金の代わりに洗面化粧台を渡された」
という職人もいました。
そこまで資金繰りが厳しくなっていても、一般のお客様が外から見て、
「この会社はもうすぐ倒産する」
と判断するのは簡単ではありません。
だからこそ、会社の未来を当てようとするより、
今、自分が結ぼうとしている契約を見る。
私はその方が現実的だと思います。
大きな先払いを求められたら、理由を聞いてみてください
たとえば、
「契約時に50%払ってください」
と言われたとします。
これだけで、その会社が危険だとは言えません。
高額な設備や材料を先に発注するなど、きちんとした理由がある場合もあります。
WEB販売や量販店などでは、仕組みとして全額先払いになっていることもあります。
ですから、
先払い=危険
という話ではありません。
ただ、大きな金額を先に支払うなら聞いてみてください。
「なぜ、この時点でこの金額を支払う必要があるんですか?」

説明を聞いて納得できれば、それも一つの判断です。
逆に、まだ工事がほとんど始まっていないのに大部分の支払いを求められ、その理由にも納得できないのであれば、
「工事の進捗に合わせた支払いに変更できませんか?」
と、契約前に相談してみてもいいと思います。
契約してからではなく、契約する前です。
お客様だけを守ればいいわけでもありません
一方で、工務店だけがすべてのリスクを抱える契約も違うと思っています。
工務店は材料を発注します。
職人や協力業者へ仕事を依頼します。
そして工事を進めながら、それぞれへ支払いを行います。
完成するまで一円も受け取れない契約なら、今度は工務店側だけが大きなリスクを抱えます。
だから私は、
お客様と工務店のどちらか一方だけが、大きなリスクを背負わないこと
が大切だと思っています。
工事が進む。
それに合わせて支払いも進む。
双方がある程度同じようにリスクを持つ。
そのくらいの関係が自然ではないでしょうか。
私も発注する側として慎重になっています
これは、お客様だけの話ではありません。
真HMSで工事を請け負う場合も、電気、水道、板金、塗装など、専門の協力業者へ仕事を依頼します。
私自身も今、発注する側として取引先を見ることには以前以上に慎重になっています。
なぜか。
当然です。
協力業者が止まれば、お客様の工事も止まるからです。
途中で別の業者を探せば、引き継ぎが必要になります。
工程も組み直さなければいけません。
金額が変わる可能性もあります。
最終的にその影響を受けるのは、お客様です。
住宅工事は、一社だけで完成させているわけではありません。
大工、電気、水道、屋根、板金、塗装など、多くの職人や会社がつながって一つの工事を完成させています。
現在は物価高による倒産も増えており、2026年上半期の「物価高倒産」は556件。そのうち建設業が151件と最も多く、前年同期118件から約3割増えています。
発注する側にとっても、決して他人事ではありません。
倒産を見抜くより、契約前にこれを確認してください
倒産しそうな工務店を見分ける方法。
私には、その答えはありません。
でも契約前に、
いつ、いくら払うのか。
その時点で工事はどこまで進んでいるのか。
なぜ、そのタイミングでその金額が必要なのか。
これは確認できます。
分からなければ聞けばいい。
納得できなければ、
「進捗に合わせた支払いにできませんか?」
と相談してみてもいい。
会社を疑ってください、と言いたいわけではありません。
大きなお金を払う契約だからこそ、
自分が納得してから判を押してください。
その工事、本当に必要ですか?
今回の答えは、少し違います。
必要な工事だったとしても、その支払い条件のまま急いで契約する必要はありません。
工事内容だけではなく、いつ・いくら払うのかまで確認する。
工事の進捗と支払いのバランスに納得してから契約する。
それも、大切な住宅判断の一つだと私は考えています。
工事を契約する前に、少しでも引っかかることがあれば
「この見積もりで決めていいのかな」
「この工事、本当に必要?」
「支払い条件についても少し不安がある」
工事を決めてからではなく、決める前の段階でご相談いただけます。
真HMSでは、建物の状態や工事内容、見積もりを確認し、必要な工事と優先順位を一緒に整理します。








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