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住宅診断で確認する基礎・構造の主な劣化事象

基礎や柱・梁などの構造部分は、建物を支える重要な部分です。
住宅診断では、基礎のひび割れや欠損、コンクリートの劣化、床や柱の傾斜、構造部材の劣化などについて、確認できる範囲から状態を確認します。
ひび割れや傾斜などの劣化事象が確認された場合でも、それだけで建物の構造に重大な問題があるとは限りません。
一つの数値や劣化事象だけを見るのではなく、発生している場所や範囲、周囲の状態、建物全体の状況などをあわせて考えることが大切です。

基礎のひび割れ
症状
基礎コンクリートの表面に、縦方向や横方向などのひび割れが確認される状態です。
考えられる原因
コンクリートの乾燥収縮、温度変化、建物の動き、地盤の影響、施工状態など、さまざまな要因が考えられます。
判断・見解
基礎にひび割れがあるからといって、直ちに構造上の問題があるとは限りません。
ひび割れの幅や位置、方向、深さ、発生している範囲などを確認し、ほかのひび割れや建物の傾斜なども含めて考えます。
基礎の欠損・剥離・コンクリートの劣化
症状
基礎コンクリートの一部に、欠けや剥離、表面の劣化などが確認される状態です。
考えられる原因
経年変化、施工状態、外部から加わった力、水分の影響などが考えられます。
判断・見解
欠損や表面の劣化が確認された場合は、その大きさや深さ、発生している場所などを確認します。
表面的な劣化なのか、基礎内部まで影響している可能性があるのかを、一つの状態だけで決めつけずに考える必要があります。
錆汁・白華・鉄筋の露出
症状
基礎に錆色の汚れや白い析出物が見られたり、コンクリートの欠損によって内部の鉄筋が露出している状態です。
考えられる原因
水分の影響、コンクリート内部の鉄筋の腐食、ひび割れなどからの水分浸入、経年変化などが考えられます。
判断・見解
表面の変色だけなのか、内部の鉄筋やコンクリートの状態に関係しているのかによって考え方は異なります。
錆汁や鉄筋の露出などが確認された場合は、周囲のひび割れや欠損、水分の影響なども含めて状態を確認します。
床の傾斜・沈み
症状
室内の床に傾斜や沈み、不陸などが確認される状態です。
考えられる原因
床組の変形や劣化、施工時の状態、地盤や基礎の影響、経年変化など、さまざまな要因が考えられます。
判断・見解
床の傾斜が確認されたからといって、その数値だけで原因を特定することはできません。
どの方向へ傾いているのか、どの範囲で確認されるのか、柱や壁、基礎などに関連する事象がないかを確認し、建物全体の状態から考えます。
柱・壁などの傾斜
症状
柱や壁などに、鉛直方向からの傾きが確認される状態です。
考えられる原因
施工時の状態、木材の変形、建物の経年変化、基礎や地盤の影響などが考えられます。
判断・見解
一か所の柱や壁が傾いていることだけで、建物全体が傾いているとは判断できません。
複数箇所を確認し、床の傾斜や基礎の状態などと照らし合わせながら、建物全体に一定の傾向があるのかを考えます。
土台・柱・梁・床組などの劣化・損傷
症状
土台、柱、梁、床組などの構造部材に、ひび割れ、欠損、腐朽、変形などが確認される状態です。
考えられる原因
経年変化、雨水や漏水による水分の影響、湿気、虫害、施工状態、外部から加わった力などが考えられます。
判断・見解
構造部材に劣化が確認された場合でも、その位置や範囲、程度によって建物への影響は異なります。
部材単体だけを見るのではなく、その部材が建物の中でどのような役割を担っているのか、周囲の部材や水分の影響なども含めて確認します。
ひび割れや傾斜は 数値だけ で判断するものではありません
住宅診断では、ひび割れの幅や床・柱の傾斜などを計測することがあります。
既存住宅状況調査にも一定の基準があり、例えば基礎では幅0.5mm以上のひび割れ、床では一定条件下で6/1000以上の傾斜などが劣化事象として定められています。国土交通省
しかし、基準値を超えた=原因が特定された、危険である、すぐに補強工事が必要、という意味ではありません。
反対に、数値が基準値未満だから建物に何の問題もない、と判断できるものでもありません。
ひび割れがどこに、どのように発生しているのか。
床や柱の傾斜に一定の方向性があるのか。
基礎や構造部材に関連する別の劣化事象がないのか。
一つの数値だけではなく、複数の情報を重ねて建物全体を見ることが大切です。
基礎・構造の劣化事象を見るときの注意点
ここで紹介している症状や考えられる原因が、すべての住宅にそのまま当てはまるわけではありません。
同じように見える基礎のひび割れや床の傾斜でも、建物の構造や築年数、施工方法、地盤の状態、これまでの改修履歴などによって原因や考え方は異なります。
また、通常の住宅診断は確認できる範囲から行う非破壊の調査です。仕上げ材などで隠れている基礎や構造部材、地中の基礎や地盤の状態など、目視では確認できない部分もあります。
そのため、一つのひび割れや一か所の傾斜だけで建物全体の状態や原因を判断するのではなく、基礎・床・柱・壁・構造部材などの状態を確認し、複数の情報をあわせて判断することが大切です。
ご自身の住宅について確認したい方へ
建物の状態は、写真や劣化事象の名称だけでは判断できない場合があります。真HMSでは住宅診断・相談を行っています。

