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住宅診断で確認する室内の主な劣化事象

室内では、壁や天井のひび割れ、雨染み、床の沈み、建具の開閉不良など、さまざまな劣化事象が確認されることがあります。
住宅診断では、壁・天井・床・建具などについて、確認できる範囲から状態を確認します。
室内に劣化事象が確認された場合でも、症状が現れている場所そのものに原因があるとは限りません。
建物の動きや経年変化だけでなく、雨水の浸入、結露、水まわりからの漏水、下地や構造部分の状態なども関係する場合があります。
そのため、一つの症状だけを見るのではなく、周囲や建物全体の状態とあわせて考えることが大切です。

壁・天井のひび割れ
症状
壁や天井の仕上げ材に、線状のひび割れや亀裂などが確認される状態です。
考えられる原因
仕上げ材や下地材の乾燥収縮、温度や湿度による変化、建物の動き、施工状態など、さまざまな要因が考えられます。
判断・見解
壁や天井にひび割れがあるからといって、直ちに構造上の問題があるとは限りません。
ひび割れの位置や方向、幅、長さ、発生している範囲などを確認し、建具の状態や床・柱の傾斜、外部のひび割れなど、関連する事象がないかも含めて考えます
雨染み・水染み・変色
症状
壁や天井などに、雨染みや水染み、変色などが確認される状態です。
考えられる原因
屋根や外壁、バルコニーなどからの雨水浸入、給排水設備からの漏水、結露、過去に発生した漏水の痕跡などが考えられます。
判断・見解
染みが確認された場所と、雨水や水分が建物内部へ入った場所が同じとは限りません。
また、染みが残っていても、調査時点で漏水が継続しているとは限りません。
染みの位置や広がり方だけで原因を決めつけず、屋外や上階、水まわりなどとの位置関係や周囲の状態を確認しながら考えます。
壁紙・仕上げ材の剥がれ・浮き・膨れ
症状
壁紙や天井材などの仕上げ部分に、剥がれ、浮き、膨れ、めくれなどが確認される状態です。
考えられる原因
経年による接着力の低下、湿気や結露、水分の影響、下地の動き、施工状態などが考えられます。
判断・見解
仕上げ材の剥がれや浮きだけで、その内部に重大な劣化があるとは判断できません。
一方で、水分の影響によって発生している場合もあるため、変色や染み、カビなど周囲に関連する事象がないかをあわせて確認します。
床の沈み・たわみ・きしみ
症状
床を歩いたときに沈みやたわみ、きしみなどが感じられる状態です。
考えられる原因
床材や下地材の経年変化、床組の変形や劣化、材料同士の擦れ、施工状態、水分や湿気の影響などが考えられます。
判断・見解
床のきしみや局所的な沈みがあるからといって、直ちに建物全体の構造に問題があるとは限りません。
どの場所で発生しているのか、局所的なのか広い範囲なのかを確認し、必要に応じて床下から確認できる床組や土台などの状態とあわせて考えます。
建具の開閉不良・隙間
症状
室内ドアや引き戸などに、開閉しにくい、擦れる、自然に動く、枠との間に隙間があるなどの状態が確認されます。
考えられる原因
建具そのものの調整不良や経年変化、木材の伸縮、枠の変形、施工状態、床や建物の傾斜などが考えられます。
判断・見解
建具が開閉しにくいことだけを理由に、建物が傾いているとは判断できません。
建具そのものに原因がある場合もあるため、複数の建具に同じような傾向があるのか、床や柱・壁の傾斜など関連する事象がないかを確認します。
カビ・結露・湿気による変色
症状
壁や天井、窓まわり、収納内部などに、カビや結露の跡、湿気による変色などが確認される状態です。
考えられる原因
室内外の温度差、換気不足、室内で発生する水蒸気、断熱状態、空気が滞留しやすい環境、雨水や漏水などによる水分の影響が考えられます。
判断・見解
カビや変色が確認されたからといって、すべてが雨漏りによるものとは限りません。
結露や室内環境によるものなのか、外部からの雨水や設備からの漏水などが関係している可能性があるのか、発生場所や周囲の状態を確認して考えます。
室内に現れた症状だけでは、原因を特定できないことがあります
室内は、住宅の不具合が**「症状として見えやすい場所」**でもあります。
例えば、天井に染みが確認されたとしても、その真上から雨水が浸入しているとは限りません。
建物内部に入った雨水が、屋根や外壁の内部、梁や下地などを伝って移動し、浸入した場所とは離れた位置に現れることもあります。
また、壁のひび割れや建具の開閉不良についても、それだけを見て建物の傾きや構造上の問題が原因だと判断することはできません。
反対に、一つ一つは小さな症状でも、複数の場所に一定の方向性や共通する特徴が確認されることで、建物全体の状態を考えるための情報になる場合があります。
「症状が出ている場所=原因の場所」と決めつけず、関連する事象を重ねて確認することが大切です。
室内の劣化事象を見るときの注意点
ここで紹介している症状や考えられる原因が、すべての住宅にそのまま当てはまるわけではありません。
同じように見えるひび割れや染み、床の沈み、建具の開閉不良でも、建物の構造や築年数、使用されている材料、施工方法、生活環境、これまでの改修履歴などによって原因や考え方は異なります。
また、通常の住宅診断は確認できる範囲から行う非破壊の調査です。
壁や天井、床などの仕上げ材で隠れている下地や構造部材、配管などについては、目視だけでは状態を確認できない場合があります。
そのため、一つの劣化事象だけで原因や必要な工事を決めるのではなく、室内だけでなく、屋根・外壁・基礎・床下・小屋裏など関連する部分の状態も含めて判断することが大切です。
ご自身の住宅について確認したい方へ
建物の状態は、写真や劣化事象の名称だけでは判断できない場合があります。真HMSでは住宅診断・相談を行っています。

